英単語帳はどれを選ぶか — ターゲット1900・シス単・LEAP・鉄壁の違い
英単語帳は種類が多く、どれも「これ 1 冊で足りる」と書かれています。実際には掲載語数と、単語をどう覚えさせる作りになっているかが違い、そこが合う・合わないを分けます。この記事では収録データをもとに、代表的な単語帳の違いを整理します。
単語帳は「1冊を完璧に」が原則
前提として、単語帳は複数を並行しても効果が上がりません。単語の定着は接触回数で決まるので、2 冊に分散させると 1 語あたりの接触が半分になります。1 冊を選んで、それを何周もするのが原則です。
そのうえで、選ぶ基準は次の 3 つに絞れます。
- 志望校のレベルに対して語数が足りているか。 足りない単語帳を完璧にしても長文が読めません。
- 覚え方が自分に合うか。 例文で覚えるのか、語源やイメージで覚えるのか、フレーズ単位で覚えるのかは本によって違います。
- 終わりまで到達できる分量か。 途中でやめた単語帳は、やった範囲しか残りません。
代表的な単語帳を数字で比べる
まず、よく比較される単語帳を並べます。
| 参考書 | 難易度 | 到達目安 | 問題数 | 想定時間 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 英単語ターゲット1900 | 6 / 10 | 55〜70 | 1900語(でる順) | 毎日30分×4〜6か月 | 迷ったらこれ。1冊を高速で周回したい全受験生 |
| システム英単語 | 6 / 10 | 55〜70 | 見出し約2000語+多義語 | 毎日30分×4〜6か月 | フレーズごと覚えて実戦で使いたい人 |
| 必携英単語LEAP | 6 / 10 | 52〜68 | 2300語(4パート構成) | 毎日30分×5〜6か月 | 英作文まで見据えて単語を固めたい人・竹岡ルート |
| 鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁 | 9 / 10 | 65〜80 | 50セクション・704頁 | 毎日40分×6か月〜 | 東大・京大・国公立医の最難関志望者 |
到達目安の偏差値帯を見ると、想定している射程が違うことが分かります。同じ「入試用単語帳」でも、共通テストから中堅私大までを射程にした本と、最難関大の長文まで見据えた本では、載っている語のレベルが変わります。
4冊の性格の違い
英単語ターゲット1900
ターゲット1900は 1 語につき 1 訳を優先して覚える構成で、周回速度を上げやすいのが特徴です。「まず 1 冊決めたい」「単語に時間をかけすぎたくない」という場合の標準解になります。派生語や語法の情報は、必要になった段階で他の教材から補う前提です。
システム英単語
システム英単語は「ミニマルフレーズ」という短い句の形で単語を覚えさせます。単語を単体で覚えるより、使われ方ごと入るぶん長文で反応しやすくなる一方、フレーズを読む手間が増えるので 1 周にかかる時間はやや長くなります。
必携英単語LEAP
LEAPは、語法や使い方の説明が厚めに載っているのが特徴です。単語帳でありながら語彙の運用まで踏み込むので、英作文まで見据える場合に相性がよくなります。
鉄壁
鉄壁は語源やイメージから体系的に覚える構成で、扱う語のレベルも高くなります。そのぶん分量が多く、最初の 1 冊としては重い本です。標準的な単語帳を 1 冊仕上げたあとの上積みとして使うのが現実的です。
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どれを選ぶか — 判断の順序
次の順で決めると迷いません。
- すでに学校や塾で 1 冊配られている → それを使う。乗り換えは、明確に語数が足りない場合だけです。
- まだ何も決めていない・共通テストから中堅私大まで → ターゲット1900かシステム英単語。周回しやすさで選んで構いません。
- 長文で単語の意味は分かるのに読めない → 単語帳の問題ではありません。英文解釈か文法に原因があります。
- 難関大の長文で語彙が足りないと感じる → 標準的な 1 冊を仕上げたうえで鉄壁などに上積みします。
- 英作文でも使いたい → LEAPのように語法の記述が厚い本が向きます。
乗り換えのコスト
「単語帳を変えれば伸びる」と考えたときは、いったん止まってください。単語帳を変えると、それまでの周回で作った記憶の手がかり(ページの位置、並び順)がリセットされます。乗り換えのコストは想像より大きく、たいていの場合は今の 1 冊をもう 1 周するほうが得です。
単語帳をいつ・どう進めるか
単語は他の教材と並行して進めます。文法や長文が終わるのを待つ必要はありません。むしろ長文を読み始めてからのほうが、覚えた単語に出会う機会が増えて定着します。
- 1 周目は速く。 覚えられなくても止まらずに最後まで行きます。全体像が見えることを優先します。
- 周回の間隔を空けすぎない。 1 周に 2 か月かかると、最初のほうを忘れた状態で最後にたどり着きます。1 日あたりの語数を増やして周期を縮めるほうが効率的です。
- 音声を使う。 多くの単語帳に音声が用意されています。発音と意味を結びつけておくと、リスニングでも使えます。
想定学習時間は上の表のとおりですが、これは「1 周にかかる時間」ではなく「仕上がるまでの合計」の目安です。1 周目で終わる前提の数字ではない点に注意してください。