はじめに
理科の科目選択は、多くの高校で高1の終わりから高2にかけて、ほとんど説明もないまま決まってしまいます。ですが、この選択は受験戦略の半分を占めます。同じ勉強量をかけても、科目の組み合わせ次第で本番の得点は20点単位で変わりますし、そもそも出願できない大学が出てきます。
4科目の得点特性を正しく知る
物理は上限が高い科目です。覚えるべき法則は実質20個程度で、それを使いこなせれば満点も現実的に狙えます。ただし最初の1〜2か月に「公式は言えるのに立式ができない」壁があり、ここで脱落すると30点台から動きません。得点分布が二極化しやすいのが物理です。
化学は全学部で使え、指定されることも最も多い科目です。理論・無機・有機と分野が分かれているため、どこかで失敗しても他で埋められます。60〜80点に収束しやすく、事故が少ないのが利点です。
生物は覚える量が最大ですが、知識分だけは必ず取れるので0点にはなりません。反面、実験考察と論述の比重が高く、9割を超えるのは物理より難しくなります。安定するが天井が低い科目だと考えてください。
地学は内容そのものは重くありませんが、受験できる大学が限られます。詳しくは地学の記事で扱います。
志望別の最適な組み合わせ
- 工学系・理学系(物理系)…物理・化学。多くの大学で事実上の指定です。
- 医学部…物理・化学、または化学・生物。どちらでも合格者は出ます。
- 農学・薬学・看護・生命科学系…化学・生物。入学後の内容とも直結します。
- 地球科学・地球惑星系…地学が使えるなら大きな武器になります。
並べてわかる通り、化学はどの組み合わせにも入っています。理科の科目選択とは、実質的に「化学の相方を物理にするか生物にするか」を決める作業です。
迷ったときの判断基準
数学の関数やグラフを苦にしない、図形的な状況把握が得意、数学IIIの学習が順調——この3つに当てはまるなら物理が向いています。逆に、文章を読んで整理するのが得意で、書く作業が苦にならないなら生物です。「暗記が嫌だから物理」という消極的な選び方は、最初の壁で崩れます。
化学は選ぶものではなく前提です。本当に選んでいるのは、化学の相方を物理にするか生物にするか、その一点だけです。