はじめに
「この参考書を3周しました」という言葉ほど、実態を表さないものはありません。3周しても解けない人がいる一方で、1周で仕上げてしまう人もいます。周回数は結果として出てくる数字であって、目標にした瞬間に勉強が作業に変わります。
印付けで「やるべき問題」を減らしていく
1周目で、全ての問題に次の3種類の印を付けます。
- ○…自力で、迷いなく解けた。
- △…解けたが迷った、時間がかかりすぎた、根拠が曖昧だった。
- ×…手が止まった、解答を見た。
2周目に解くのは△と×だけ、3周目は×だけです。300問の問題集なら、2周目は120問、3周目は40問ほどに減ります。1周目に1か月かかっても、2周目は10日、3周目は3日で終わります。周回数を増やすのではなく、周回のたびに対象を減らすのが正しい形です。
ここで最も危険なのは△を○にしてしまうことです。「まあ解けたし」で流した問題が、本番で手が止まる問題になります。迷ったら△、が原則です。
「わかる」と「できる」の間にある断層
解答を読んで理解できるというのは、著者が敷いたレールの上を歩けたということです。自力で再現できるというのは、何もない状態から最初の一手を自分で選べるということです。この2つの間には大きな段差があり、多くの受験生はここを飛び越えたつもりで飛び越えていません。
差が出るのは「なぜその式を立てるのか」「なぜその実験に注目するのか」という判断の部分です。解説を読んだあとに、その判断の理由を一言でメモしておくと、2周目の効率が変わります。
白紙再現テストで判定する
完成したかどうかは、次の方法で確かめられます。問題文だけを見て、何も参照せずに答案を最後まで書く。5分考えて手が動かなければ×です。
さらに月に一度、その本からランダムに10問を抜き出して抜き打ちテストをしてください。8問を自力で通せたら、その本は完成です。この判定を通っていない本を「終わった」ことにして次に進むのが、理科でいちばん多い失敗です。
1冊を完成させるとは、その本の問題を全部解けることではありません。その本と同じ考え方で、初見の問題に手が出る状態のことです。