はじめに
地学は、選択肢に入れる価値がある場面と、慎重になるべき場面がはっきり分かれる科目です。結論から言えば、共通テストの理科基礎としては最短ルートの候補であり、二次試験で使う専門地学としては受験校が限られます。
文系の理科基礎なら地学基礎が最短です
共通テストの理科基礎は、「物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎」が1つの試験冊子にまとまっており、4科目から2科目を選んで解答します。試験時間は2科目あわせて60分、配点は各50点の計100点です。
この4つのなかで地学基礎は、計算問題が少なく、宇宙・地球内部・岩石・大気と海洋・地史と、分野が独立しているのが特徴です。どこから手を付けても成立するので、短期間で仕上げやすい。教科書と図表、問題集1冊で2〜3か月が目安になります。生物基礎との組み合わせが定番なのは、どちらも暗記寄りで勉強法を揃えられるからです。
注意点は、高校によっては地学基礎の授業自体がないことです。その場合は完全に独学になります。逆に言えば、独学でも十分に到達できる分量だということでもあります。
専門地学の現実を直視する
一方で、二次試験の科目として「地学」を選べる大学は限られます。国公立でも実施しているのは数えるほどで、私立ではほとんど選択肢に入りません。理工系学部の一般的な入試では、まず使えないと考えてください。
ですから、専門地学を選ぶなら順序が逆になります。先に志望校を絞り、募集要項で地学が使えることを確認してから選ぶ。これを怠ると、高3の夏に出願先が消えるという最悪の事態になります。
逆の面もあります。受験人口が少ないため、地球科学系の学科では地学選択が有利に働く場面がありますし、内容そのものへの興味が続くなら、勉強のモチベーションは保ちやすい科目です。
参考書が少ないなかでの学習法
地学は市販の参考書が他科目に比べて圧倒的に少ない科目です。だからこそ、主教材は教科書と図表になります。用語は必ず図とセットで覚えてください。地質断面、天球図、気圧配置——地学の問題は図から出ます。
計算は限定的で、年周視差、地震のS-P時間、湿度、放射性年代あたりが中心です。ここは公式が少ないので、確実に取り切ります。演習量が足りないときは、共通テストとセンター試験の過去問を教材として使うのが実践的です。