はじめに
二次試験の理科は、答えの数値だけを書いても点になりません。逆に、最後まで到達できなくても点が入ります。記述式の答案は採点者への説明文であり、その書き方には作法があります。ここを知っているかどうかで、同じ実力でも数十点の差が生まれます。
答案に必ず入れる4つの要素
- 根拠の明示…「x方向の運動方程式より」「エネルギー保存則より」と、使った法則を名指しします。式だけが並んだ答案は、途中で間違えたときに部分点が拾えません。
- 記号の定義…自分で置いた文字は必ず定義します。「小球Aの速さをv₁、床からの高さをhとする」の一行があるかないかで、答案の読みやすさが変わります。図に記号を書き込むのも有効です。
- 単位…数値解答には必ず単位を付けます。付け忘れは減点対象です。
- 有効数字…問題文で与えられた数値の桁数に合わせます。2桁で与えられていれば答えも2桁。計算途中は1桁多く保持して、最後に丸めます。
そして最終的な答えは囲むか下線を引いて、どれが答えかを一目でわかるようにします。
部分点は待つものではなく、取りに行くもの
完答できそうにない問題でも、立式までは書いてください。設定した座標系、立てた式、途中で出した結果、そのそれぞれに配点があります。白紙は確実に0点で、これだけが唯一確実な失点です。
時間切れになりそうなときの動き方も決めておきます。大問の(1)(2)は基本問題であることが多いので、残り時間が少ないなら、手を付けていない大問の前半だけを回収しに行く。これだけで10点単位の差になります。
化学の構造決定と、生物の論述
化学の構造決定では、答えの構造式だけでなく、判断の根拠を1行添えてください。「ヨードホルム反応が陽性より、CH₃CO−またはCH₃CH(OH)−の構造をもつ」といった記述です。仮に最終構造を間違えても、ここまでで部分点が入ります。異性体を数える問題は数え漏らしが致命的なので、炭素骨格から系統的に書き出す手順を固定しておきます。
生物の論述は、字数の8割以上を埋めるのが原則です。40字なら32字以上。要素点である以上、短い答案は取りこぼしが増えます。そして文末を問いに対応させる。「なぜか」には「〜から。」、「何か」には「〜こと。」。基本的なことですが、緊張下ではここが崩れます。
記述の答案で問われているのは、答えを知っているかどうかではありません。その答えに至った道筋を、他人に見せられるかどうかです。