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参考書の2周目をどう回すか — 1周で終わる人が伸びない理由

進め方の基本 の記事

公開 2026-09-08 更新 ルート大全 編集部

参考書を 1 周した。そこそこ理解できた気がする。次の本に進もう。——この流れで進めた人が、模試で「解いたことがあるはずの問題」を落とします。1 周目は、その本の内容を知る作業であって、使える状態にする作業ではありません。この記事では、2 周目以降をどう設計するかを、時間の配分の観点から整理します。

1周目で終わらない理由

参考書を 1 周したときに手元に残っているのは、「解説を読んで納得した記憶」です。これは、初見の問題に対して自分で方針を立てられる状態とは違います。

差が出るのは、解答を見る前に方針が浮かぶかどうかです。1 周目は、多くの問題で解答を見てから理解しています。つまり、方針を立てる部分だけ経験していない。この部分は、2 周目に自力で通したときに初めて練習されます。

もう 1 つ、時間の観点があります。1 周目は全問題に同じだけ時間をかけますが、2 周目以降は解けなかった問題だけに絞れるので、1 周あたりの時間が急激に短くなります。だから周回はコストが安い。にもかかわらず飛ばされるのは、新しい本を買うほうが進んでいる感じがするからです。

次の本より、いまの本

新しい本を買うのは、進捗ではなく選択肢が増えただけです。手持ちの本で解けない問題が残っているうちは、次の本に進んでも同じところで止まります。冊数の考え方は参考書は何冊やるべきかに書きました。

1周目で必ずやっておくこと

2 周目を軽くできるかどうかは、1 周目のやり方で決まります。やることは 1 つだけです。問題ごとに、自分の状態を記録する。

記号は何でも構いませんが、3 段階に分けるのが実務的です。

  • 自力で解けた。 2 周目では飛ばします。時間を使う対象ではありません。
  • 方針は立ったが、計算や詰めで間違えた。 2 周目で、解き直すのではなく該当箇所だけ確認します。
  • 方針が立たなかった。 ここが本体です。2 周目は、この問題だけを解き直します。

この記録がないと、2 周目でも全問題を最初から解くことになります。それは 1 周目をもう一度やっているのと同じで、時間が倍かかるうえに、できる問題を繰り返すぶん退屈で続きません。周回が続かない原因の大半は、絞り込みをしていないことです。

記録は本に直接書き込んで構いません。別のノートに転記すると、その手間で続かなくなります。

2周目をいつやるか

間隔の話をします。1 周目が終わった直後に 2 周目を始めると、まだ覚えているので解けてしまいます。これは、思い出せたのか、解けるのかの区別がつかない状態です。

実務的には次のように組み立てます。

  • 分野・章の単位で、その日のうちに 1 回戻る。 解説を読んで理解した問題を、その日の終わりにもう一度、解答を見ずに通します。ここで手が止まるなら、理解できていません。
  • 1 冊終えたら、間を空けて 2 周目に入る。 数日から 1 週間程度で構いません。その間は別の科目や別の分野を進めます。
  • 3 周目以降は、間隔を広げる。 2 周目で解けた問題は落として、残ったものだけを時間を空けて確認します。

間隔を空けるのは、忘れさせるためです。忘れかけた状態で思い出す作業が、記憶を長持ちさせます。直後に繰り返すのは、確認としては楽ですが、練習としては弱くなります。

何周で終わりにするか

「網羅系は 3 周」といった目安をよく見ますが、周回数は目的ではありません。終わりの基準は状態で決めます。

次の 2 つを満たしたとき、その本は終わりです。

  • 印を付けた問題が残っていない。 方針が立たなかった問題が、すべて自力で通せる状態になっている。
  • 解法を選んだ理由を説明できる。 答えが合っているだけでなく、なぜその方針を選んだかを言葉にできる。ここが応用の土台になります。

この基準で判定すると、得意な分野は 2 周で終わり、苦手な分野は 5 周かかるということが起きます。それが正常です。全分野を同じ回数回すのは、時間の配分としては不合理です。

逆に、いつまでも終わらない場合は、本のレベルが合っていない可能性があります。3 周しても半分が自力で通らないなら、1 段やさしい本に落としてください。難しい本を抱え続けるより、確実に速く進みます。

複数の本を並行するときの周回

実際には、1 冊だけを回していればいい状況はほとんどありません。科目が複数あり、それぞれに本があります。ここで破綻しないための原則を書きます。

  • 新規で進める本は、1 科目 1 冊まで。 周回は複数走らせても構いませんが、初めて読む本を同時に 2 冊抱えると、どちらも定着しません。
  • 周回は短時間で回せる形にする。 絞り込んだあとの周回は、1 回 30 分程度で回せる分量になります。その日の最初か最後に固定で入れてください。
  • 暗記もの(単語帳・用語集)は別枠。 これは常に周回している状態が正常で、終わりがありません。他の本の周回と同じ枠で数えないでください。

どの本がどの状態かを覚えておくのは負担になるので、記録を外に出すことをおすすめします。ルート大全には学習の記録があり、読んでいる本の状態(未着手・学習中・完了・保留)をその端末の中だけに残せます。サーバーには送りません。

周回は、やる気ではなく仕組みで続けます。「気が向いたら戻る」では戻りません。何曜日に何を回すかまで決めてしまうほうが確実です。

いま回すべき1冊を決める

周回の設計は、いま手元にある本が並びのどこにあるかが分かって初めて立てられます。志望校と現在地を選ぶと、いま進めるべき本と、その次に来る本が並びとして出ます。