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漢文の始め方 — 最も少ない時間で点になる分野の攻略順

科目別ルート の記事

公開 2026-09-08 更新 ルート大全 編集部

国語の 3 分野の中で、投入した時間に対して最も早く点になるのが漢文です。理由は単純で、覚える量が最も少ないからです。古文が単語・文法・読解・常識と 4 層あるのに対して、漢文は句法と少しの重要語で読み始められます。にもかかわらず、最後まで手つかずで残されることが多い分野でもあります。この記事では、漢文をどの順で、どこまでやるかを整理します。

漢文が「安い」理由

漢文の学習は、大きく 3 つの層でできています。返り点などの訓読のルール、句法、そして読解の演習。このうち、覚えなければならない知識に当たるのは最初の 2 つで、量はどちらも多くありません。

古文と比べると差がはっきりします。古文は単語帳を 1 冊仕上げ、助動詞の活用と識別を身につけ、古典常識を入れ、そのうえで読解演習に入ります。漢文は句法を一通り押さえた時点で、入試問題の文章が読める状態に近づきます。

つまり漢文は、短期で完成させて、あとは維持するだけの分野に変えられるということです。共通テストでしか使わない受験生にとっては、ここを早く終わらせて他科目に時間を回すのが最も合理的な運用になります。

後回しにするコストが大きい

漢文を後回しにしていい理由は 1 つもありません。着手が遅れると、句法を入れ終わる前に本番が来ます。逆に、夏までに句法を終えていれば、あとは演習を薄く続けるだけで維持できます。優先順位ではなく着手の早さで差がつく分野です。

1冊目 — 句法の入門書を選ぶ

最初の 1 冊は、句法を体系的に扱う講義系の本になります。ここでの選択が、その後の時間の使い方をほぼ決めます。

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参考書難易度到達目安問題数想定時間向いている人
岡本のたった3時間で漢文句法1 / 10〜55(超入門)動画授業付き3〜6h漢文に初めて触れ句法の全体像を先に知りたい人
漢文早覚え速答法2 / 1040〜62310頁/句法10公式10〜15h短時間で共テ・私大の漢文を読めるようにしたい人
漢文ヤマのヤマ2 / 1040〜65194頁/重要句法6612〜18h最初の1冊で句法を体系的に固めたい人
岡本梨奈の漢文 読み方&解き方2 / 10〜60(導入)336頁/句法+演習15〜20h知識ゼロから1冊で共テ・入試基礎まで進めたい人
三羽邦美の漢文教室3 / 1045〜65256頁18〜25h漢文を体系的に深く学びたい国公立志望者

性格の違いを整理します。

  • 漢文早覚え速答法は、割り切りの本です。 覚える句法を絞り、共通テストと私大で問われる形に最短で届かせる構成になっています。時間がない人、漢文が共通テストのみの理系にはこれが噛み合います。
  • 漢文ヤマのヤマは、体系の本です。 句法を漏れなく並べ、演習も付いています。国公立の二次で漢文が出る人や、早い時期から始められる人向けです。
  • 岡本のたった3時間で漢文句法は、全体像を先に見る本です。 これ 1 冊で完結させるより、短時間で地図を作ってから他の本に入る使い方が向いています。
  • 三羽邦美の漢文教室は、理屈から入る本です。 なぜその読み方になるかを説明するので、暗記が続かないタイプに向きます。

2 冊目の入門書は要りません。1 冊を決めたら、それを繰り返してください。漢文で複数の入門書を買うのは、最も典型的な時間の浪費です。

2冊目 — 句法を手で定着させる

講義系を読んだだけでは、句法は使える状態になりません。読んで理解することと、白文や書き下しを見て構造が浮かぶことの間には差があります。ここを埋めるのがドリル型の教材です。

このタイプの本は薄く、短期間で終わります。講義系と並行して進めるのが最も効率的です。1 章読んだらその範囲のドリルを解く、という運用にすると、読んだだけで終わる状態を防げます。

学校で漢文必携のような教材を配られているなら、それをドリル代わりに使って構いません。同じ役割の本を買い足す必要はありません。

3冊目 — 演習は志望校で分岐する

句法が入ったら演習に移ります。ここから先は、漢文をどこまで必要とするかで進む道が変わります。

共通テストのみで使う場合

マーク形式の演習に絞ります。文章そのものは標準的なので、設問の処理に慣れることが目的になります。

ここで止めて構いません。共通テストでしか使わないのに二次向けの記述演習に進むのは、配点に見合わない投資です。

国公立二次・私大で漢文が出る場合

記述と、より長い文章の読解が必要になります。演習書を 1 冊挟んでください。

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参考書難易度到達目安問題数想定時間向いている人
漢文道場 基礎編3 / 1045〜60本体168頁+別冊128頁15〜20h句法を覚えて最初の演習書を探す人
漢文道場 入門から実戦まで5 / 1050〜68本体224頁+別冊80頁20〜30h漢文を1冊で入試レベルまで仕上げたい人
実戦演習 標準漢文5 / 1050〜6529題/128頁12〜18h標準レベルの漢文演習を短期で追加したい人
得点奪取 漢文6 / 1055〜68200頁/典型4+演習18〜25h国公立二次の漢文記述を対策する人
入試精選問題集 漢文6 / 1055〜6830題/196頁20〜28h難関大の漢文の演習量を確保したい人

漢文道場は、入門から実戦までを 1 冊で通す設計です。句法を終えた直後から入れて、そのまま二次レベルまで持ち上がります。記述対策を厚くしたいなら得点奪取 漢文を足してください。

いつ始めて、いつ終わらせるか

時期の目安を書きます。ただし、これは締切であって開始日ではありません。早く始めるぶんには何の問題もありません。

  • 句法の入門書は、遅くとも高3の夏までに 1 周を終えます。ここが遅れると、演習の時間が取れません。
  • ドリルは入門書と並行して、同じ時期に終わらせます。
  • 演習は秋以降でも間に合います。共通テストのみなら、直前期に形式へ慣れる時間があれば足ります。

漢文は、一度仕上げても放置すると句法が抜けます。週に 1 題でいいので、演習を切らさないでください。維持のコストは低く、週に 30 分程度で足ります。

古文との順番を聞かれることがありますが、同時並行で構いません。むしろ古文のほうが完成に時間がかかるので、古文を主に進めながら、漢文を週に数コマ差し込む形が現実的です。古文の進め方は古文の始め方にまとめました。

国語3分野の並びを確認する

漢文をいつ始めていつ終えるかは、現代文・古文の進み具合と合わせて決まります。志望校と現在地を選ぶと、3 分野を並行させた並びが出ます。