残り時間から絞る — 何を捨てるかを先に決める
選び方 の記事
参考書選びは足し算で考えられがちです。あれもこれも入れたくなり、結果として全部が中途半端になります。この記事では逆に、使える時間を先に確定させ、そこに入らない本を落とす手順を書きます。
手順1 — 使える総時間を出す
最初にやるのは掛け算です。
- 残り月数 × 30 日 × 1 日の学習時間 = 使える総時間。
- そこから学校の授業・移動・行事に取られる分を引きます。実感より少なくなるのが普通です。
- 残った時間を科目ごとに配分します。配点の大きい科目、伸びしろのある科目から割り当てます。
志望校レベルごとに必要な総時間は次のとおりです。数字はルートに入っている本の想定学習時間を合計したもので、毎回計算し直しています。
| 志望レベル | 王道網羅型 | 1日3hなら | 時短・精選型 | 1日3hなら |
|---|---|---|---|---|
| 共通テスト対策 | 56冊 / 1,693時間 | 18.6か月 | 44冊 / 1,313時間 | 14.4か月 |
| 日東駒専・産近甲龍 | 46冊 / 1,872時間 | 20.5か月 | 39冊 / 1,496時間 | 16.4か月 |
| MARCH・関関同立 | 52冊 / 2,108時間 | 23.1か月 | 46冊 / 1,771時間 | 19.4か月 |
| 地方国公立 | 58冊 / 2,284時間 | 25か月 | 51冊 / 2,056時間 | 22.5か月 |
| 早慶・上智 | 59冊 / 2,822時間 | 30.9か月 | 51冊 / 2,166時間 | 23.8か月 |
| 地方旧帝 | 61冊 / 2,633時間 | 28.9か月 | 54冊 / 2,061時間 | 22.6か月 |
| 東大・京大・一橋・科学大 | 68冊 / 3,403時間 | 37.3か月 | 57冊 / 2,605時間 | 28.6か月 |
詳しい内訳は参考書ルートは何時間かかるかに出しました。自分の使える総時間と比べて、足りているかどうかをまず確認してください。
手順2 — 削る順番を決める
足りない場合、削ります。削る順番は決まっています。
- 同じ役割の 2 冊目を落とす。 最初に削るのはここです。到達点がほとんど変わりません。かぶりの確認を参照してください。
- 上位帯の本を落とす。 志望校が要求していない帯の本は不要です。過去問を見て、そこまで要るかを確認します。
- 分野別の本を落とす。 穴が特定できていないなら、分野別の本は保留にします。
- 網羅系を 1 段軽い本に置き換える。 ここまでで足りなければ、土台の本を軽くします。
削ってはいけないのは過去問です。過去問は志望校に直結する唯一の素材なので、ここを削ると何のために積んだのか分からなくなります。時期の逆算は過去問はいつから始めるかに書きました。
手順3 — 残った時間に合う本を選ぶ
削ったあと、残りの時間に収まる本を選びます。想定学習時間の短い本は次のとおりです。
| 順位 | 科目 | 参考書 | 出版社 | 想定学習時間 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 理科 | 看護医療系への生物基礎オムニア 正誤問題200 | エール出版社 | 12時間 |
| 2 | 社会 | スピマス公共 | 山川出版社 | 12時間 |
| 3 | 国語 | 実戦演習 標準漢文 | 桐原書店 | 15時間 |
| 4 | 国語 | 現代文プラチナルール | KADOKAWA | 15時間 |
| 5 | 社会 | スピマス倫理 | 山川出版社 | 15時間 |
| 6 | 社会 | スピマス文化史 | 山川出版社 | 15時間 |
| 7 | 社会 | 全レベル①基礎 | 旺文社 | 15時間 |
| 8 | 社会 | 全レベル① 基礎 | 旺文社 | 15時間 |
| 9 | 社会 | 30日完成 スピードマスター 地理総合、地理探究問題集 | 山川出版社 | 18時間 |
| 10 | 国語 | 漢文道場 基礎編 | Z会 | 18時間 |
| 11 | 国語 | 船口の最強の現代文 記述トレーニング | Gakken | 18時間 |
| 12 | 理科 | 必修整理ノート 地学基礎 | 文英堂 | 18時間 |
注意点は、短い本は範囲が狭いということです。1 冊で 1 科目を作れる本ではないので、複数を組み合わせる形になります。組み合わせると重なりと抜けが出るので、範囲の確認が要ります。
より詳しい一覧は短時間で1周できる参考書ランキングにまとめました。
時期別の目安
高3の春から
9 か月あります。網羅系を含めた標準的な並びが組める時期です。この時期に始めるなら、削るより先に全体を通す計画を立ててください。
高3の夏から
6 か月です。網羅系を通す時間は厳しくなります。問題数を絞った本に置き換えるか、例題だけに絞る運用が要ります。
秋から
3〜4 か月です。新しい本を増やす段階ではありません。手持ちの本の到達度を上げ、過去問に時間を割り当てます。この時期に本を買うのは、分野の穴が特定できている場合だけです。
選択肢が減るのは悪いことではない
残り時間が短いほど、選択肢は減ります。減ること自体は悪くありません。選択肢が少ないほうが、迷う時間も減ります。











