物理の入り口はどれか — エッセンス・宇宙一・秘伝の物理
徹底比較 の記事
物理の 1 冊目として名前が挙がるのが物理のエッセンス・宇宙一わかりやすい高校物理・秘伝の物理講義です。この 3 冊は同じ帯ではありません。役割が違うので、比べる前に何をする本なのかを分ける必要があります。
3冊を並べる
- 難易度
- 1 / 10
- 到達目安
- 〜50
- 分量
- 講義+確認問題 約100題
- 想定時間
- 20〜30h
- イラスト中心で読み進めやすい
- 物理基礎と物理を区別せず学べる
- 別冊の確認問題で読みっぱなしにならない
- 厚く情報密度は低め
- 入試レベルの問題は扱わない
- 難易度
- 3 / 10
- 到達目安
- 45〜60
- 分量
- 講義+例題 約80題
- 想定時間
- 30〜40h
- 無料の動画講義と連動して独学しやすい
- 公式の導出や物理的意味を省略しない
- 入試標準レベルまで見据えた説明
- 分厚く読み切るのに時間がかかる
- 分量に対して価格が高い
- 難易度
- 4 / 10
- 到達目安
- 45〜60
- 分量
- 例題+問題 約200題
- 想定時間
- 30〜40h
- 要点整理と問題が直結している
- 典型問題が幅広く押さえられる
- 良問の風・名問の森へ接続できる
- 説明が簡潔で完全な初学者には不親切
- 解説の行間が広く独学で詰まりやすい
難易度が 3 冊で段になっています。宇宙一と秘伝は説明の本、エッセンスは問題を解く本という違いがあり、並列に選ぶものではありません。
役割の違いを先に分ける
宇宙一 — 現象の絵を作る
宇宙一わかりやすい高校物理は、図とたとえで現象のイメージを作る本です。式に入る前に何が起きているのかを掴む段を担います。物理を選択したばかりの時期、あるいは公式は知っているのに問題が解けない状態で使います。
秘伝の物理講義 — 講義として通す
秘伝の物理講義は、説明の分量がより多く、動画と併用する形になっています。独学で物理を最初から通す場合に、宇宙一より一段詳しい説明が要るならこちらです。
エッセンス — 型を手に入れる
物理のエッセンスは、解法の型を身につけるための問題集です。説明を読む本ではなく、解く本なので、現象のイメージが無い状態で開くと解説が足りないと感じます。
ここから、順番が決まります。説明の本 → エッセンスであって、逆ではありません。
エッセンスの前に説明の本は要るか
要るかどうかは、学校の授業をどれだけ使えているかで決まります。
- 学校の授業が理解できている → エッセンスから入れます。説明の本は不要です。
- 授業についていけていない・独学 → 宇宙一か秘伝を先に通します。
- エッセンスを開いて解説が不足に感じた → 説明の本に戻ります。エッセンスが悪いのではなく、段が 1 つ抜けています。
エッセンスからあとの並び(良問の風・名問の森)と、その代替は物理の参考書はどう組むかにまとめました。
浜島清利による入試標準の問題集(河合出版・2023年三訂版)。標準問題約150題を分野別に収録し、エッセンスの考え方をそのまま当てはめて解ける…
浜島清利による難関大向け問題集の前半巻(河合出版・2024年四訂版)。力学・熱・波動Iの約70題を、設問ごとに考え方を示す解説で扱う。良問の風…
問題精講シリーズの基礎編、2023年の五訂版。入試基礎〜標準の典型を約110題に絞り、「精講」で要点を示してから解答を置く。同帯の物理のエッセ…
説明の本を何冊も買わない
説明の本は読んでいるあいだ理解できるので、進んでいる感覚が得られます。そのため何冊も買いたくなりますが、説明の本を 2 冊読んでも解ける問題は増えません。
判断はこうです。1 冊読み終えたら、次は説明の本ではなく問題集に移ります。詰まったらその分野だけ説明の本に戻ります。全部を読み直す必要はありません。
読む時間より解く時間
物理は、公式を覚えた量ではなく、状況を式に翻訳できる回数で伸びます。読んでいる時間が長くなっているなら、それは問題集に移る合図です。


